「なんとなく体がだるい」「朝起きてもスッキリしない」「気分までどんよりしてくる」――
そんな悩み、毎年この季節になると感じていませんか?
それ、東洋医学でいう“湿邪(しつじゃ)”の仕業かもしれません。
梅雨の時期、私たちの体は目には見えない“湿気”に包まれ、内側からじわじわとバランスを崩していきます。
この記事では、東洋医学の視点から梅雨特有の不調の原因を探り、今日からできるセルフケア方法までわかりやすくご紹介します。
もくじ
東洋医学が教える「梅雨の不調」の正体

湿気が体の中に入り込む⁉ 〜“湿邪”とは何か〜
東洋医学では、気候や自然の変化が体に影響を与えると考えられています。梅雨における主な外的要因は「湿邪」。
この湿邪は、空気のように体のすき間に入り込み、次のような不調を引き起こします。
- 頭が重くスッキリしない
- 体がだるく、動くのが億劫
- 関節がギシギシと痛む
- 胃腸の調子が悪くなる
- 気分が落ち込みがちに
ポイントは、「重だるさ」「停滞」「水分トラブル」。これが湿邪のサインです。
胃腸の不調は湿邪のSOS 〜“脾”の力がカギを握る〜

東洋医学では、胃腸の働きを司る臓器を「脾(ひ)」と呼びます。そしてこの脾は“湿”にとても弱いという特徴があります。
つまり、梅雨時に食欲が落ちる、下痢っぽくなる、体がむくむといった不調は、脾が湿邪に負けているサイン。
放っておくと、慢性的な疲労や免疫力の低下にもつながってしまいます。
今日から始める!梅雨を元気に過ごす東洋医学的セルフケア

1. 「食べる薬」で湿を追い出す食養生
体の湿を追い出すには、毎日の食事を見直すのが近道。おすすめは、利水(りすい)作用や脾を補う食材です。
◎積極的に取り入れたいもの
- ハトムギ茶:むくみとりの王様
- とうもろこし・冬瓜:体の余分な水分を排出
- 生姜・陳皮:お腹を温めて気の巡りを改善
- 大豆・山芋・なつめ:脾の働きをサポート
×控えたいもの
- 冷たい飲み物、アイス、刺身などの生もの
- 油っこい揚げ物やスイーツ
湿気に弱い体を守るためには、“温めて巡らせる”食事がカギです。
2. 体を動かして「湿を散らす」
梅雨の重苦しい空気に体を任せていると、湿邪はますます身体に居座ります。
- 朝は5分でもいいからストレッチや散歩を
- 湯船にしっかり浸かって、汗をかく
- エアコンで体を冷やさない(靴下・腹巻は強い味方)
湿邪は冷えとも相性が悪いので、“冷やさない”習慣がとても重要です。
鍼灸の力で根本から体を整える

「なんとなく不調が続く」
そんなときこそ、東洋医学の知恵である鍼灸が効果的です。
鍼灸のここがすごい!
- 湿邪による気の滞りを改善
- 脾胃の機能を整え、胃腸から元気に
- 自律神経の乱れを調整し、メンタルもすっきり
施術では、症状や体質に合わせてツボを選びます。特によく使われるのが…
- 足三里(あしさんり):脾胃の働きを整え、全身の元気を引き出す
- 陰陵泉(いんりょうせん):体内の水の巡りを改善
- 中脘(ちゅうかん):胃の不調をケア
「薬に頼りたくないけど、調子が戻らない…」
そんな方にこそ、鍼灸という選択肢を知ってほしいのです。
梅雨の不調は“体の声”を聞くチャンスかもしれません

不調は「もう無理しないで」という、体からのメッセージです。
梅雨の時期は、自然とともに私たちも内省するタイミング。
東洋医学の考え方を取り入れて、心と体の声に耳を傾けてみませんか?
少しの意識とケアが、あなたの毎日を大きく変えるかもしれません。
まとめ

- 梅雨の不調は「湿邪」による東洋医学的な現象
- 食事・生活習慣・鍼灸で“湿”を追い出し、“脾”を整える
- 自分の体と対話することが、元気な夏につながる第一歩
毎年悩まされていた梅雨の不調も、今年からは東洋医学の知恵で乗り越えてみませんか?

1989年9月9日生まれ。青森県青森市出身、東松島市在住。
鍼灸師、あん摩マッサージ指圧師、健康運動指導士
2018年に宮城県石巻市・東松島市を中心に出張専門の鍼灸マッサージ院を開業、2022年より【出張・鍼灸マッサージ あずまし鍼灸院】として院内施術も開始。運動部の学生のサポートから社会人のカラダのメンテナンス、高齢者の健康維持など幅広い顧客へ施術を行っています。治療だけでなくメンテナンスや競技力向上にも力を入れています。お困りのことがございましたらお気軽にご相談ください。